ツボ? 足ツボ? 手のツボ?
“ツボ”が手足に集中すると思われているのはなぜ?
「足の裏は第2の心臓」といわれます。どうしてでしょうか?
足裏には重要な“ツボ”が多く集まっていると思われている方が多いのです。足ツボマッサージ、ハンドマッサージなどでは手足のツボを使って全身の健康管理をすると言われます。
「ツボというのは、東洋医学で『経穴(けいけつ)』と呼ばれるものです。東洋医学には、体中に張り巡らされた経絡(けいらく)というものがあり、その経絡上にツボが定められているんです。これはWHO(世界保健機関)でも認められているんです。鍼灸治療がWHOで認められていると言うのはあまり知られていない事実なんです。そして、ツボが手のひらや足の裏に偏って存在しているかというと、そうではありません。つぼは頭部から胴体、手足まで、まんべんなく配置されているんです。」
もっと言えば、手のひら、足の裏にはツボは数個しかありません。ハンドマッサージ、足裏マッサージで言うところのツボは反射帯といわれるものです。例えば胃の反射帯に刺激を加えると何かしら胃が反応すると言う具合です。手のひらや足の裏は露出しやすく、マッサージなどで対応しやすい部位であるために専門のマッサージが浸透し、こうした誤解が生じたのではないかと思われます。
「ツボは、大昔の人々が経験によって定め、伝えてきたものとされています。近年では医学的な調査が進められているんです。その結果、鍼などで刺激を与えることで、実際に血流や新陳代謝が促されたり、血管を拡張して血圧を下げたりするつぼが多く確認されており、今後もいっそう解明は進んでいくでしょう。WHOでも鍼灸治療の効果を認める疾患をたくさん挙げているんです。そのツボの専門家と呼べるのが鍼灸師です。鍼灸師になるための国家試験では、つぼの知識も問われます」
ソチ五輪で金メダルを獲得した羽生結弦選手も、体質改善に鍼治療を活用したと報じられています。鍼灸治療を上手に生活に取り入れることで効果的に心をがメンテナンスできるんです。