院長ブログ

熱中症だけじゃない? 3人に2人が経験している「熱あたり」とは?

カテゴリー:院長スケジュール2025年07月11日(金)

暑いですよね 汗だくで来院された患者さんとの会話で見つけた記事です。

熱中症だけじゃない? 3人に2人が経験している「熱あたり」とは?

「熱あたり」をご存じでしょうか。夏場の「『熱』による身体的な不調全般」を意味します。

熱中症に加えて、熱中症に発展する可能性のある症状も熱あたりに含まれ、全国の成人の3人に2人が、これを経験しているそうです。

熱あたりとはどのような症状なのか、さらにその対策などについて、専門家の意見も含めて詳しく解説します。
体内に溜まった熱で、さまざまな不調が発生

人間は体内で生み出した熱を使って体温を保ち、過剰になった熱は「放熱」によって体の外へ放出することで、身体機能を維持しています。

まず、放熱の仕組みから説明していきましょう。人間の血液は熱を運びながら体内を流れています。熱は皮膚に近い血管を通ったとき、体温よりも低い気温の体外に放出されます。気温が上昇すると皮膚近くの血管を拡張させ、血流を増やすことで、放熱量を増やしているのです。

また、暑さによってかく汗は蒸発する際、気化によって熱を吸収しながら体外に放出(放熱)しています。

これらは健康的な生活を営むためにとても大切な仕組みですが、高い気温の暑さの中では体内に溜まった熱により、さまざまな体調不良が引き起こされることがあります。具体的には寝た気がしない、疲れが取れない、食欲がわかないなどの症状です。

暑い中では気付かないうちに自律神経に負担がかかり、体内の水分も汗となり減っていきます。この水分不足が放熱機能を低下させ、熱あたりにつながります。地球温暖化の進行に伴う気温の上昇により、熱あたりによる不調を感じる人が増えているともいわれます。

これらの症状がめまいや筋肉痛、頭痛へと進行すると「熱中症Ⅰ、Ⅱ度」に、さらに中枢神経にかかわる症状が起きたり深部体温が40℃以上になったりすると「熱中症Ⅲ、Ⅳ度」と診断されることになります。
3人に2人が経験している熱あたり、最も多い症状は?

熱中症も含めた熱による不調全般を熱あたりと定義のうえ、全国の20歳以上の男女1万4100人を対象に、「夏場の熱による体調不良に関する全国調査」を実施しました。

その結果、2024年7~8月にかけて、「熱あたりに該当する症状を感じた」人は全体の64.6%で、およそ3人に2人にあたります。このうち2.2%(全体の1.4%)が「病院に行き、熱中症と診断」され、74.1%(同47.8%)が「自覚症状があったが、病院には行かなかった」、23.7%(同15.3%)が「軽い不調を感じた」としています。

仕事などのパフォーマンス低下にも影響

熱あたりの症状で最も多かったのが「睡眠の質の低下」(51.4%)で、「疲れが取れない」(46.0%)、「倦怠感」(30.8%)が続きました。

熱あたりの症状を経験した人について「どの程度のパフォーマンス低下を感じたか」を尋ねたところ、「そこそこ」(48.6%)が半数近く、「かなり」(14.2%)、「大幅に」(3.8%)と続きました。熱あたりの経験者はすべての世代で60%を超えていて、年齢による大きな差はみられなかったそうです。

「調査結果から、熱中症患者として表面化している人数以上に、多くの人が夏場の暑さによる体調不良を感じたり、日常のパフォーマンスが低下したりしていることが明らかになりました。熱が体に与える影響を知り、体に熱を溜めすぎないよう対策することが大切です」

「これほど多くの人が熱あたりを経験している可能性があり、経験者に世代差がなかったことには驚きました。高齢者だけでなく若い世代も、注意が必要といえるでしょう。

多くの人々に体調不良やパフォーマンス低下をもたらす熱あたりは、社会全体で考えれば大きな経済的損失につながっている可能性もあります」

暑い日は夜も積極的にエアコン使用を

熱あたりの対策には、暑くなる前の春から夏にかけて体を暑さに慣れさせていく「暑熱順化」が、効果的とされています。

今年は6月から全国各地で真夏日・猛暑日が記録されていますが、すでに暑くなってから実行できる対策には、どのようなものがあるでしょうか。

「暑くなってからの対策は、できる限り暑さ、熱を避けることです。エアコン使用を中心に、扇風機を使ったり通気性のある服を着たりするなど、いろいろできることの『合わせ技』で、猛暑の夏を乗り切ってください」
エアコンも使用法を間違えると、十分な効果を得られない可能性があります。
「まず、暑いときはエアコンの使用を我慢しないことが大前提です。そのうえで、室温が28℃程度になるような設定温度で、湿度調整もできるエアコンなら湿度60%以下を目安に設定します。

湿度が下がらない場合は除湿機との併用、扇風機などを使って室内に適度な風の流れをつくることも効果的です。また、室内の温度や湿度が分かるよう、見えるところに温湿度計を置いておくことも工夫のひとつです。

寝室が暑いままだと、寝ている間も自律神経が働き続けて体からの放熱を促し、その負担による疲労や発汗による脱水で、翌朝に熱あたりになる場合もあります。特に熱帯夜は寝る前にしっかり水分補給し、エアコン使用などで寝室環境を快適に保つことが重要です」

熱あたりの経験率は、北の北海道や東北地方を含む全47都道府県で60%を超え、大分、福島、広島県では70%を超えています。

比較的軽度と考えられる熱あたりの症状であっても、油断せずに、できるだけ涼しい環境で過ごすことが重要です。また、体に熱が蓄積しないように注意し、適切な対策を心がけましょう。

クーラー病はなんとかなります。熱中症はただちに命の危険があります。身体を冷やすことが悪いというのは、この暑さには必要ないと思います。

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