インフルエンザの「型」って何? 今年流行の兆しはA香港型 医師が解説
コロナが落ち着いてきたらインフルエンザが…という患者さんとの会話で見つけた記事です。
インフルエンザの「型」って何? 今年流行の兆しはA香港型 医師が解説
インフルエンザが流行する冬が近づいてくると毎年、「今年流行りの型はどれなのか」「今年のワクチンの型は当たった」といった話題が上がります。しかし、インフルエンザの型にはどのようなものがあり、それぞれどんな特徴があるのか、知らない人も多いはず。そこで、耳鼻咽喉科・アレルギー科の鈴木香奈先生に、インフルエンザの型による違いや、今年流行しそうな型など、詳しいお話を伺いました。
オーストラリアでA香港型を8割検出 日本でも流行の可能性が
「A型インフルエンザ」「B型インフルエンザ」という言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。インフルエンザには大きくA、B、Cの3種類がありますが、主に流行するのはA型とB型です。
A型インフルエンザは人以外にも感染し、数年から数十年ごとに世界的な大流行がみられます。これは、別の亜型ウイルスの出現で、従来の亜型ウイルスに取って代わることで起こります。一方、B型インフルエンザが感染するのは人のみ。そしてA型ほど大きな流行が発生することはあまりないと考えられています。2021~2022年、欧米では主に亜型の一種であるA香港型の流行がみられました。中国でも今年に入りA香港型が増加しています。また、日本が夏を迎えた頃に冬である南半球で流行しているインフルエンザは、今後の北半球での流行を予測する上で役立ちます。本年度、オーストラリアで検出されたインフルエンザの型が判明したもののうち、約80%がA香港型でした。そのため、今シーズンは日本でもA香港型の流行が主体になる可能性があります。A香港型の特徴は次の通り。
【A香港型の主な症状】
・感染力が最強で重症化しやすい
・高齢者に感染すると生命の危険も心配される
・2~3日続く高熱
・咽頭痛、咳、鼻などの上気道症状
・肺炎初期のレントゲン像
・嘔吐、下痢、腹痛
・息切れ
・低酸素血症
感染者数は平年並みの兆し 11月下旬頃までにワクチン接種を
オーストラリアでは例年レベルの患者数に。早めのワクチン接種を
2020年、2021年とコロナ禍の影響もあり、インフルエンザの感染者数は世界的に低水準で推移しました。しかし、オーストラリアでは2022年4月後半から報告数が増加。例年レベルの患者数に戻ったことで、医療提供体制が逼迫する事態となっているようです。今後、海外からの入国が緩和されると国内へウイルスも持ち込まれると考えられ、今秋から冬には日本でも同様のことが起こる可能性があるでしょう。日本では11月下旬から3月頃にかけて流行し、2月頃にピークを迎えることが多いです。そこで、ワクチン接種は遅くとも11月下旬までに接種するのがベターです。ワクチン接種が推奨されるのは、65歳以上の高齢者、5歳未満のお子さん、年齢に関係なく肺などに慢性の持病がある方、悪性腫瘍で治療中の方、高度の肥満の方などです。
また、予防法として石けんと流水による手洗いやアルコールによる手指消毒は、インフルエンザウイルスを除去・消毒するのに有効です。清潔を保ち、バランスの取れた食事と十分な睡眠を取ること、乾燥した室内では加湿器などで湿度を適切に保つよう気をつけることも重要になってきます。そして、人混みはできるだけ避けるようにしましょう。
コロナもまだまだ気が抜けません 感染対策 気を引き締めていきましょう