院長ブログ

総合診療医が教える、「寝たきり」になる可能性がある3つの危険な症状

カテゴリー:院長スケジュール2021年10月13日(水)

「眠い眠い」という患者さんが多いです。「このままだと寝たきりになっちゃうかも?」という患者さんとの会話で見つけた記事です。

総合診療医が教える、「寝たきり」になる可能性がある3つの危険な症状

あなたのその症状、ほうっておいては危険ではありませんか? 症状が出たら重要なのは、病院に行く必要のない状態と、早急に病院に行くべき状態をきちんと見分けること。

「寝たきり」になる可能性がある3つの症状をお届けする。

寝たきりになる可能性があるというと、脳梗塞や脳出血、あるいは心筋梗塞のような、死に至ることもある病気を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。そして、頭が割れるように痛いとか、突然気を失ったというような、激烈な症状を思い浮かべる
かもしれません。

ところが実際には、特に高齢者の場合は、ふらついて転んだというような些細なことがきっかけで、寝たきりになってしまうことがあります。しかもその原因は、風邪薬を飲んだとか、ビタミンB12不足とか、これもまた些細なことだったりします。あるいはまた、ものが二重に見えるという目の症状が、寝たきりになるような重大な病気の兆候であることもあります。

「寝たきり」という結果と、その前触れである症状の、重大さが一致していないことがあるのです。そのため症状を見逃してしまったり、症状に気づいても放置してしまったりすることがあります。一見些細な、あるいは関係なさそうな症状であっても、「もしかしたら」と考えてみることが大事です。

「寝たきり」になる可能性がある症状 その1 →めまい

めまいには、脳に原因がある「中枢性のめまい」と、内耳に原因がある「末梢性のめまい」、そのほかの原因のめまいがあります。救急室にやってくる患者さんの約1割が中枢性のめまいで、約4割が末梢性のめまいです。残りは、片頭痛が原因の片頭痛性めまいや、心因性(ストレス、疲労などが原因)のめまい、胸郭出口症候群によるめまいなど、さまざまです。

重要なのは、めまいが中枢性かどうかを見極めることです。中枢性のめまいは脳の血管に障害が起こって生じるため、対処法を誤ると寝たきりになったり死に至ったりする可能性があります。

めまいに加えて以下があるかどうか、当てはまる項目をチェックしてください。

□1. 家具や手すりにつかまっても、まったく歩くことができない。

□2. 受け答えがどことなくおかしい。話しているうちに眠ってしまう。

□3. うまくしゃべれない(ろれつが回らない)。

□4. ものをうまく飲み込めない、食べたり飲んだりするとむせる。

□5. ものが二重に見える。

1~5のどれか1つでもチェックが入った場合は、救急車で病院に行ってください。医師には、めまいに加えてどんな症状があるか、チェックが入った項目を告げてください。中枢性のめまいである可能性が高いと考えられます。

中枢性めまいの原因には、小脳梗塞、小脳出血、脳幹梗塞などがあります。小脳は、複数の筋肉を同時に滑らかに動かしたり、体のバランスをとったりする機能などを司っています。脳幹は、呼吸や心臓の動き、意識などの機能を司っています。ここに出血や梗塞(血管が詰まって酸素や栄養がいかなくなること)が起こって、周囲の細胞が死んでしまうのが、小脳や脳幹の出血と梗塞です。

小脳や脳幹が障害されると、意識障害(ぼんやりしている、受け答えがおかしい、反応がない、など)、めまい、立てない、歩くとふらつく、座った姿勢がとれない、ろれつが回らない、目の動きがおかしい、ものが二重に見える、音が聞こえにくい、ものをうまく飲み込めない、手足や顔がしびれる、吐き気・嘔吐など、さまざまな症状が現れます。

ただし、これらの症状がすべて現れるわけではなく、小脳や脳幹のどこに障害が起こったかで、出る症状は異なります。

1~5のどれにもチェックが入らなかった人は、以下に進んでください。

□6. 以下の1つ以上に当てはまる過去に脳梗塞や脳出血、心筋梗塞になったことがある。家族に脳梗塞や脳出血、心筋梗塞になった人がいる。高血圧。糖尿病。脂質異常(高脂血症)。タバコを吸う。男性。55歳以上の女性。

□7. 20分以上めまいが続いている。

□8. 歩けることは歩けるが、非常に困難。

□9. 耳が聞こえにくい、または耳鳴りがする。

□10. 吐き気がする、または吐いた。

□11. 以下の1つ以上に当てはまる:片頭痛がある。スピンする運動(遊具のコーヒーカップなど)が苦手。めまいがするとき、光をまぶしく感じる。

6にチェックが入った場合は、すぐ病院に行ってください。7~ 11のどれかにチェックが入った場合は、1~2日以内に病院に行ってください。医師には、該当する項目を告げてください。

6にチェックが入った場合は、脳梗塞を発症する危険性があります。脳梗塞は、脳のどこかに梗塞が起こった状態です。栄養バランスのとれた食事、適度な運動、禁煙、充分な睡眠と休養、節度ある飲酒を心がけて、高血圧、糖尿病、脂質異常(高脂血症)などを防ぐ、または改善することで予防できます。

7~11のどれかにチェックが入った場合は、メニエール病、前庭神経炎、片頭痛性めまいなどの可能性があります。メニエール病は、内耳にリンパ液が溜まることで発症します。激しいめまい、難聴、耳鳴り、吐き気・嘔吐などの症状が、繰り返し起こります。ストレスや疲れ、睡眠不足などがきっかけとなって症状が出るとされています。めまいや吐き気を止める薬はありますが、メニエール病自体を治す薬はまだありません。

前庭神経炎は、耳の奥にある前庭神経(平衡感覚を司る)の炎症によって起こります。ウイルス感染が原因という説が有力で、めまいの前に風邪のような症状が出ることもあります。ぐるぐる回る回転性のめまいが数日間続き、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。ただし、難聴や耳鳴りはありません。何もしなくても2~3週間で治りますが、めまいがひどいと生活に支障が出ますから、症状を和らげる薬を処方してもらうといいでしょう。

片頭痛性めまいは、片頭痛に伴って起こるめまいです。

6~11のどれにもチェックが入らなかった人は、以下に進んでください。

□12. 腕のしびれや、肩・胸・背中(肩甲骨の辺り)の痛みがある。

12にチェックが入った場合は、1~2か月様子を見てください。胸郭出口症候群によるめまいの可能性があります。

12にチェックが入らなかった人は、以下に進んでください。

□13. 頭の位置を変えると、めまいがする(立ったとき、起きたときなど)。

□14. 繰り返しめまいが起こるが、1~2分で治まる。

13、14のどちらか、または両方にチェックが入った場合は、良性頭位性めまい症の可能性があります。三半規管内にある小さな石(耳石)の位置がずれることによって起こるめまいで、心配ありません。この場合は、2週間ほど様子をみます。2週間ほどで、たいていは放っておいても治りますが、すぐに治したい人は「エプリー法」を試してみるといいでしょう。「エプリー法」でインターネットを検索すると、たくさんのサイトがヒットしますし、YouTubeに動画もあります。

13、14のどちらにもチェックが入らなかった場合は、心因性のめまいなどの可能性があります。慌てなくて結構ですが、総合診療科やかかりつけ医を受診し、医師に相談してください。

寝たきりになるかどうかは難しいです。なんでも相談できるお医者さんや看護師さん、薬剤師さん、そして僕ら鍼灸師にも気軽に声をかけてくださいね。

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