基準や、息切れとの関係は? 「動悸」に関する疑問、医師に聞く
気温や気圧の変化が激しく不整脈や動悸といった症状を訴える患者さんも多くなっています。そんな患者さんとの会話から見つけた記事です。
基準や、息切れとの関係は? 「動悸」に関する疑問、医師に聞く
心臓の変化は不安に…
日々、休むことなく動き続けている「心臓」ですが、普段から、心臓の拍動を意識しながら生活している人は少ないと思います。ただ、「いつもより心臓がドキドキしている気がする」「最近、心臓の鼓動が速い気がする」といった変化がみられたときは不安になるものです。こうした症状は「動悸(どうき)」と呼ばれますが、ネット上では「動悸の基準は?」「緊張したときのドキドキとは違うもの?」「息切れしやすくなったのも関係あるのかな」といった声が上がっています。
「動悸」に関するさまざまな疑問について、内科医に聞きました。
拍動に対する違和感、不快感
Q.そもそも、人間の心臓とはどんな臓器で、動悸とは何でしょうか。
「心臓は胸の中央に位置する臓器で、1分間に50~80回程度の規則的な収縮を繰り返し、全身に血液を送っています。いわば“ポンプ”の役割を果たす臓器です。動悸とは、自分の心臓の拍動に対して違和感や不快感を自覚する状態のことです。心拍数が多くても少なくても、正常であっても動悸を自覚することがあります。
一般的な動悸とは、心拍数が増加している『頻脈(ひんみゃく)』を意味することが多いですが、原因は心房細動、弁膜症、貧血、甲状腺機能亢進(こうしん)症、パニック障害などとさまざまです。心臓自体に問題がある場合と、別の病気が原因である場合とがあります。
自分で心拍数を計ってみて、『1分間に50~80回程度』より多いかどうかで、本当に動悸があるのか簡易的にセルフチェックができます。ただ、たとえ、心拍数が正常でも、例えば、緊張などの影響で動悸と自覚することはあるため、動悸かどうかの基準は人によって異なります。動悸を自覚したら、まずは循環器内科を受診します」
Q.緊張しているときや激しい運動をした後、心臓がドキドキと脈打つように感じられることがあります。この現象は動悸とは違うものなのでしょうか。
「緊張したときや運動に関連して心拍数が増加することは正常な現象であり、通常の動悸とは異なります。ただし、心拍数の増加が収まらない場合、別の病気が原因である可能性もあるので、循環器内科を受診しましょう」
Q.動悸を自覚している人の中には「息切れしやすくなった」などの症状がみられるケースもあるようですが、動悸とあわせて、特に注意すべき体の変化や兆候はありますか。
「動悸に加えて、息切れを自覚する場合、心臓の血管が細くなる『狭心症』の可能性があります。この場合、胸の圧迫感や痛みを自覚することがありますが、30分以上続く場合は心筋梗塞の可能性があるので、救急車を呼びましょう」
Q.動悸について、病院を受診する症状の目安はありますか。
「数分で改善する動悸であれば、様子を見て構いませんが、『30分以上続く』『頻度が増した』『毎日起こる』『他の症状を伴う』場合、早めに病院を受診すべきです。放置した際のリスクは動悸の原因によって異なりますが、例えば、心房細動を放置すると脳梗塞になる可能性が高まり、危険です」
Q.病院では、どんな診察・検査を行って診断するのでしょうか。
「循環器内科では問診や聴診の他、一般的な心電図検査に加えて、心電図の波形を24時間記録することで不整脈を把握する検査『ホルター心電図』や、心臓の動きを見て弁膜症などの異常の有無を確認する『心臓超音波検査』などを行います」
Q.動悸はどのような治療を行うのでしょうか。また、予防法はありますか。
「動悸の種類によって異なります。例えば、心房細動であれば、血液をサラサラにする薬、心拍数が突然上がる『発作性上室性頻拍』であれば、脈拍を調整する薬などを使います。心房細動に限っていえば、高血圧の人がかかりやすいですが、睡眠不足や精神的ストレス、アルコールの取り過ぎ、不規則な生活の人もリスクが上がるので、生活習慣に注意することが一番です」
心臓の動きは心配ですよね。そんなことも相談できるかかりつけ医は必要です。鍼灸師も相談できるので気軽に声をかけてくださいね。病院への受診が必要な時は受診を勧めます。