最近よく聞く「自律神経」とは?自律神経が乱れる原因と整える方法[医師監修]
自律神経が乱れてるという患者さんとの会話で見つけた記事です。
最近よく聞く「自律神経」とは?自律神経が乱れる原因と整える方法[医師監修]
私たちの体は、意識せずともさまざまな機能を維持しています。これを司っているのが自律神経です。自律神経は心拍や呼吸、消化など、生命維持に欠かせない働きを調整する重要な役割を担っています。しかし、現代社会のストレスや不規則な生活習慣によって自律神経が乱れることが少なくありません。
自律神経の働きや乱れる原因、そして整えるための方法について見ていきましょう。
自律神経とは
自律神経は、私たちの体内で自動的に働く神経系の一部で、主に交感神経と副交感神経の2つに分かれます。交感神経は活動やストレスに反応し、心拍数や血圧を上げる働きをします。
一方、副交感神経はリラックス時に働き、心拍数を下げたり消化を促進したりします。これらの神経がバランスよく働くことで、体は健康を維持しています。
なぜ自律神経は乱れるのか。現代社会は「自律神経を乱す原因」だらけ!
私たちの体にとって欠かせない自律神経ですが、とても繊細で、ちょっとしたことでそのバランスが崩れてしまいます。とくに現代社会は自律神経の乱れを引き起こす要因が揃っています。
原因1 ストレス
精神的・肉体的なストレスは、自律神経に大きな負担をかけます。過剰なストレスにより交感神経が優位になり、心身が常に緊張状態になることで自律神経のバランスが崩れやすくなります。
原因2 不規則な生活習慣
睡眠不足や不規則な食事、運動不足は自律神経のリズムを乱す主な要因です。とくに、夜遅くまでのスマートフォンやパソコンの使用は、交感神経を活性化させ、睡眠の質を低下させます。
原因3 気温や気圧、環境の変化
季節の変わり目や温度差、気圧の変動など、外部環境の変化も自律神経に影響を与えます。とくに季節の変わり目には体が対応しきれず、疲れやすくなることも。
医師が教える、自律神経を整える6つの方法
では、自律神経のバランスが崩れていると感じたとき、どのような対処法を行うとよいでしょうか。
自律神経を整える方法1 生活リズムを一定にする
毎日同じ時間に寝起きし、食事を摂ることで自律神経のリズムが安定します。
なぜ生活リズムを一定にすることで自律神経が整うのか?
自律神経のバランスが崩れる=交感神経と副交感神経のバランスが崩れるということなので、この2つの神経のバランスが大事です。
朝起きてから徐々に交感神経が働き出し、日中は交感神経の働きがピークになります。夜になると副交感神経が徐々に働き出し、寝ているときは副交感神経の働きがピークになります。
寝不足などで生活のリズムが崩れると、寝ている時間、つまり副交感神経が優位の時間が短くなるため、交感神経の働く時間が伸び、自律神経のバランスが崩れてしまいます。そしてだるい、眠れない、疲れる、動悸、めまい、頭痛、食欲不振などが起こります。
これを防ぐためには、生活リズムを一定にすることが有効と言えます。
自律神経を整える方法2 朝起きたら太陽の光を浴びる
朝は太陽の光を浴びることで交感神経が自然に活性化し、体内時計も整うため、1日のスタートをスムーズに切ることができます。
起きたらすぐに2~3分、朝日を浴びるのがベスト
できれば朝起きてすぐ、2~3分ほど朝日を浴びるのが良いでしょう。体内リズムがリセットされます。
人間の体内リズムは25時間くらいのサイクルで回っています。1日は24時間なので、1時間ズレてしまう計算になりますが、そのズレをリセットすることができます。
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それができない場合は、起きてから30分くらい後でも、通勤などで外に出ればOKです。
ちなみに、曇りや雨の日でも目は光を感じるので大丈夫です。日照量ではなく、光を感じることが大事なのです。
自律神経を整える方法3 リラックスする時間を意識的に作る
趣味への没頭や深呼吸、軽いストレッチなど、リラックスできる時間を日常に取り入れることで、副交感神経が優位になり、心身が落ち着きます。お風呂にゆっくり浸かることも効果的です。
ちなみに、以下のような趣味は自律神経を整えるという視点からは、あまりおすすめできません。
・激しい音楽
音楽は自律神経を整えるといいますが、ロックなど激しいものは逆効果です。クラシック、ピアノジャズ、ヒーリングミュージック、ハワイアンなどゆったりとした音楽がおすすめです。
・カフェインが入った飲み物を飲む
・大量の飲酒
・スマホ、テレビ、パソコンなどの光刺激
これらは脳が興奮してしまいます。また、睡眠に必要なメラトニンの分泌を抑えてしまいます。
・熱いお湯(43度以上)のお風呂につかる
・間違った深呼吸
吸うときは、交感神経が優位になり、吐くときは副交感神経が優位になります。吸って吐いてを思いっきりやると、両方の神経を興奮させるので、リラックスするなら、吐く息を長くすることがポイントです。
自律神経を整える方法4 バランスの取れた食事
食事は自律神経の働きに影響を与えます。とくに、ビタミンB群やマグネシウム、オメガ3脂肪酸など、自律神経をサポートする栄養素を積極的に摂ることが大切です。
下記、おすすめの栄養素と多く含まれる食材です。
・GABAの多いもの
GABAは交感神経の末端からノルアドレナリンの分泌を抑えて、副交感神経優位にする働きがあります。トマト、味噌、納豆、豆腐などの大豆製品などに多く含まれています。
・ビタミンB6
GABAをつくるために必要です。まぐろ、かつお、牛肉などの赤身部分に多く含まれています。
・ビタミンB群
豚肉、レバー、きのこ類、豆類(枝豆、大豆、小豆など)に多く含まれています。
・マグネシウム
海藻(あおさ、のり)、ナッツ類、ゴマ
・オメガ3
エゴマ油、アマニ油、青魚(アジ、イワシ、サバ、まぐろ、サーモンなど)に多く含まれています。
・ビタミンD
心や神経のバランスを整える、セロトニンを調節する働きがあります。サーモン、まぐろ、サバ、キノコ類に多く含まれています。
自律神経を整える方法5 適度な運動
適度な運動は、ストレスを解消し、自律神経のバランスを整える効果があります。ウォーキングやヨガなどの運動は、副交感神経を活性化させ、リラックス効果を高めます。
自律神経を整える運動としては、スイミング、太極拳、ストレッチがおすすめです。
スイミングは水の浮力が体をリラックスさせる効果があります。太極拳やストレッチのような呼吸がゆったりした運動は、副交感神経が優位になります。
逆によくないのは、筋トレ、速めのランニング、ダッシュなどです。激しい運動は交感神経が優位になってしまうためです。
自律神経を整える方法6 質の良い睡眠
質の良い睡眠を確保することは、自律神経を整えるために非常に重要です。寝る前にスマートフォンやパソコンを避け、リラックスした環境で眠ることが、安眠につながります。
先生が実践している、自律神経を整えるセルフケア
私の場合、クリニックが終ったら、5kmランニングをしています。その後、銭湯で湯船につかって体の芯から温まる、「サウナ10分+水風呂1分のセット」を3回繰り返しています。
また、常に腹巻きをしてお腹を冷やさないようにしています。
運動をすることでストレス発散と、体を適度に疲れさせることにより良く眠れるようになります。お風呂で体の芯から温まることも安眠に繋がり、サウナと水風呂の繰り返しは自律神経のバランスを整えてくれます。
夕食は、味噌汁、もずく、納豆、サーモンとまぐろの刺身を食べながら、晩酌をします。
味噌、納豆の大豆には、自律神経のバランスを整えるGABAが多いです。サーモンやまぐろのEPAには抗炎症作用があり、脳の炎症を抑えたり、自律神経のバランスを整えたりする働きがあります。
また、まぐろに多く含まれるビタミンB6はGABAの合成を助けてくれます。サーモンやまぐろには、ビタミンDが多く、ビタミンDには自律神経のバランスを整える働きもありますね。
あとは寝る前のストレッチで、開脚などの股関節のストレッチ、肩をゆっくりぐるぐる回したりする肩甲骨のストレッチをしています。毎日、爆睡です!
子供の頃から言われている規則正しい生活、好き嫌いをしない 早寝早起き…やってれば問題無さそうですね。